この記事では2020年度の年末調整の書き方について解説していきます。
年末調整の書類の書き方がわからない方は必見です!
理解しやすいよう、参考として記入例も添えておきます!
- 年末調整とは1年間の税金を精算すること
- 申告書に記入する保険料控除は4項目ある
- 申告書には控除証明書を張り付ける
- 年末調整は遅れても確定申告すれば大丈夫
それでは解説していきます。
年末調整で必要な書類
2020年度の年末調整で必要になる書類は以下の通りです。
- 給与所得者の保険料控除申告書
- 給与所得者の扶養控除等(異動) 申告書
- 給与所得者の配偶者控除等申告書
年末調整では上記3つが必要になります。
それとは別に書類がありますが、基本的に会社が処理してくれます。
- 「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」
- 「支払調書」
- 「源泉徴収票」
上記3つは気にしなくて大丈夫です。
「給与所得者の保険料控除申告書」のやり方

給与所得者の保険料控除申告書
控除申告書の記入する項目は以下の4つに分かれています。
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 社会保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
上記は自分で記入します。
保険料の書類が郵送されます。その書類を見ながら書きましょう。
そして、控除関係の書類は申告書に添付しなければいけません。
次に記入方法を解説します。
生命保険料控除のやり方
生命保険料控除は、以下のことを書きます。
- 生命保険
- 県民共済
- 勤務先の団体保険など
上記のような生命保険等の控除を計算する欄です。
では申告書の書き方です。

生命保険料控除の記入欄
- 名称→保険会社の名前を書きます (例)だるめ損保など(略称可)
- 種類→保険の種類を書きます (例)医療、定期、終身など
- 期間→保険期間又は支払期間を書きます。 (例)終身、〇年など
- 契約者氏名→必ず自分の名前ではないです。書面を確認して書きましょう。
- 受取人→保険金の受取人を書きます。こちらも必ず自分というわけではない。
- 続柄→受取人とあなたとの続柄を書きます。 (例)本人、父、母など
- 新・旧→2012年1月1日以降が契約日なら新、それ以外なら旧です。
- 保険料の金額→その年の保険料の合計金額(郵送の書面に記載)
- ⑦で新と書いた保険料の合計です。
- ⑦で旧都会た保険料の合計。
- 計算式Ⅰで計算した額を書きます。(最大4万円)
- 計算式Ⅱで計算した額を書きます。(最大5万円)
- ⑪と⑫の合計を書きます。
- ⑫と⑬で金額の大きいほうを書きます。
同じ要領で⑮、⑯の「介護保険」、「医療保険」も書いていきましょう。
最後に⑰=⑭+⑮+⑯で計算して終わりです。
ちなみに⑪~⑰の計算は生命保険料控除計算サポートツールで計算できます。
控除額には上限があります。
例えば生命保険(新)は保険料の上限は80,000円です。
他に生命保険(新)を記入しても控除される額は変わらないです。
そのため、上限を超えた場合は他の契約があっても申告する必要はありません。
保険料上限額 | 控除額上限 | |
生命保険(新) | 80,000円 | 40,000円 |
生命保険(旧) | 100,000円 | 50,000円 |
介護保険 | 80,000円 | 40,000円 |
年金保険(新) | 80,000円 | 40,000円 |
年金保険(旧) | 100,000円 | 50,000円 |
合計金額 | ― | 120,000円 |
※「生命保険料控除証明書」は書かない場合でも申告書に添付する必要があります。
生命保険料控除の記入例
以下は生命保険料控除の記入例です。

生命保険料控除の記入例
参考になれば幸いです。
地震保険料控除のやり方
地震保険料は以下の場合、記入します。
火災保険に地震保険特約をつけて加入し、保険料を払っている
上記の場合が該当します。(賃貸、別荘は地震保険料の対象外です。)
地震保険料の書き方です。

地震保険料控除の記入欄
- 名称→保険会社の名前を書きます (例)だるめ損保など(略称可)
- 種類→保険の種類を書きます (例)地震、積立傷害など
- 期間→保険期間又は支払期間を書きます。 (例)〇年
- 契約者→必ず自分の名前ではないです。書面を確認して書きましょう。
- 利用者→保険対象の自分以外の利用者を書きます。 (例)佐藤 太郎
- 続柄→受取人とあなたとの続柄を書きます。 (例)本人、父、母など
- 区分→書類を見て地震か旧長期を選択します。
- 保険料金額→書類を見ながら金額を書きます。
- 地震の合計額→地震保険料の合計金額です。
- 旧長期の合計額→旧長期保険料の合計金額です。
- Ⓑの金額(最高5万円)
- Ⓒの金額(最高1万5千円)
- ⑪と⑫の合計(最高5万円)
※こちらも生命保険控除と同様に「控除証明書」は書かない場合でも申告書に添付する必要があります。
控除額には上限があります。
例えば地震保険料は保険料の上限は50,000円です。
他に生命保険(新)を記入しても控除される額は変わらないです。
そのため、上限を超えた場合は他の契約があっても申告する必要はありません。
保険料上限額 | 控除額上限 | |
地震保険 | 50,000円 | 50,000円 |
長期損害保険 | 20,000円 | 15,000円 |
合計金額 | ― | 50,000円 |
地震保険料控除の記入例
以下は地震保険料控除の記入例です。

地震保険料の記入例
Ⓒは合計額が20000円ですが15000円になります。内訳は以下の通り。
20,000円>10,000円である。
10,000円+(15,000円ー10,000円)×1/2=15,000円
社会保険料控除のやり方
社会保険料は以下のような場合記入します。
- 健康保険料や介護保険料、厚生年金保険料(会社から差し引かれていない場合)
- 家族の社会保険料を払う場合
給与や賞与から差し引かれてない社会保険料がある人や、家族の社会保険料を自分が支払っている人が記入します。
では社会保険料の書き方です。

社会保険料控除の記入欄
- 名称→保険会社の名前を書きます (例)国民年金、厚生年金、健康保険など
- 支払先→支払先の機関名を書きます (例)日本年金機構など
- 氏名→保険料の支払者名を書きます。
- 続柄→受取人とあなたとの続柄を書きます。 (例)本人など
- 保険料金額→本年度に払った金額を書きます。
- 合計額→保険料の合計金額です。
※こちらも生命保険控除と同様に「控除証明書」は書かない場合でも申告書に添付する必要があります。
社会保険料控除額には上限がありません。
申請しただけ控除されますので忘れずに控除申告をしましょう。
社会保険料控除の記入例
以下は社会保険料控除の記入例です。

社会保険料控除の記入例
小規模企業共済等掛金控除のやり方
小規模企業共済等掛金控除は以下のものを記入します。
- 企業型年金加入者掛金
- 個人型年金加入者掛金
- 心身障害者扶養共済制度に関する契約の掛金
小規模事業を経営する人が記入する欄です。
では小規模企業共済等掛金控除の書き方です。

小規模企業共済等掛金控除の記入欄
- 控除証明書を見ながら該当覧に記入
- 合計金額を記入
※こちらも生命保険控除と同様に「小規模企業共済等掛金控除」は書かない場合でも申告書に添付する必要があります。
小規模企業共済等掛金控除には上限がありません。
申請しただけ控除されますので忘れずに控除申告をしましょう。
小規模企業共済等掛金の記入例
以下は小規模企業共済等掛金の記入例です。

小規模企業共済等掛金控除の記入例
控除に上限はありませんので、合計には合計金額をそのまま書きましょう。
年末調整するといくら得するのか
年末調整することでいくら得をするかは年末調整のシミュレーションツールなどで簡単に計算できます。
ここでは例を1つ挙げようと思います。
年末調整還付金の例
仮に以下のような人がいるとします。

課税所得:350万円
生命保険料:100,000円
介護保険料:60,000円
個人年金保険料:120,000円
※個人年金保険料は税制適格特約付加とします。
結論を言うと、23,000円得をします。
詳細は以下の通りです。
控除額
控除額は115,000円になります。
詳細は以下の通りです。
保険料 | 控除額 | |
生命保険料 | 100,000円 | 40,000円 |
介護医療保険料 | 60,000円 | 35,000円 |
個人年金保険料 | 120,000円 | 40,000円 |
合計 | 280,000円 | 115,000円 |
保険料が280,000円に対して115,000円が控除されます。
所得税と得をした額
所得税の計算は以下の通りです。

得した額の計算
例の場合、年末調整をすると23,000円得をしているということがわかります。
10年で23万円、40年で92万円、得をします。
まとめ:年末調整はきっちりやろう
今回は、2020年度版の年末調整のやり方について解説しました。
方法は以下の通りです。
- 控除額の書面が郵送される
- 書類を見ながら年末調整書類に記入
- 年末調整書類に控除額の書面を添付
忘れずに行いましょう。
途中で開設した例の場合では年23000円得をするので、年末調整は忘れずきっちりと行いましょう。
では。
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